犬の老化と犬の気持ち
犬は自分の気持ちや状況を言葉で伝えることができません。
ワンちゃんの老いは見た目や行動に現れます。外見でいえば、目が白く濁る、お腹がたるむ、ひげや毛に白髪が混じる、鼻が乾いていることが多い、といったものがあげられます。
行動では、散歩を催促しない、散歩に連れて行っても途中で帰りたがる、名前を呼んだ時の反応が鈍い、少しの段差でつまずくようになるなどの変化が見られます。
老化の兆候が出てきたワンちゃんは、若いころに比べて体力や免疫力が落ち、病気にもなりやすいものです。
歳をとったワンちゃんは、がんや糖尿病、心臓病、腎臓障害、肝臓障害、白内障、歯周病、皮膚病、痴呆などといった病気に注意する必要があります。
愛犬に元気にすごしてもらうためには、早い段階での病気の発見と正しい治療が必要です。そのためにも獣医師による定期的な健康診断は欠かさずに行いましょう。飼い主が病気に対する正しい知識を持つことも、愛犬の健康チェックに役立ち、病気の早期発見につながります。
愛犬の老化現象に気付いたら、段差を小さくしたり、滑りにくい床にするなどの工夫をしてあげましょう。
犬も人と同様に、体が思うように動かなくなったり、目や耳が悪くなったりしてこれまでできていた簡単なことができなくなります。
無理に今までと同じ運動させることはせずに、動きが鈍くてもできる運動に切り替えてあげましょう。例えば室内で運動量を増やす為に、「おいで」とワンちゃんを呼んでください。ワンちゃんもうれしいはずです。短い距離でも何回も行き来させて運動させてあげましょう。
愛犬との充実した生活を望むなら、飼い主は愛犬の年齢に合った正しい食事、生活環境の中で暮らさせてあげることを心がけましょう。これまで以上にボディケアやスキンシップも入念にやさしく行いながら、こまかい変化に注意してあげましょう。
体が不自由になっても散歩を楽しみにしているワンちゃんはいます。カートに乗せたり、抱っこやドライブで外に連れ出したりしてあげてください。散歩中の新しい発見は、年老いたワンちゃんにとっても大事な「刺激」です。「散歩するのも大変そうだから、寝かせてあげよう」と、おだやかすぎる生活を続けると、大事な「刺激」が少なくなって、かえって良くないこともあります。
体の面だけでなく、犬の気持ち(メンタル面)を充実させるためにも、普段からお友達のワンちゃんとふれあう機会を作ってあげるなど、メリハリのある生活を送らせてあげましょう。
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