猫の爪とぎについて
知っていますか?猫の爪とぎの意味
爪とぎは猫にとって欠かすことのできない習性です。可愛らしい仕草のひとつではありますが、場合によっては爪とぎしてほしくない場所で爪とぎするようになってしまうなど、飼い主にとって困り事のひとつになることも。そのような問題を解決するために、ここでは爪とぎをする目的やしつけの仕方など詳しくご紹介します。
猫が爪とぎをする目的
猫が爪とぎをするには目的がありますので、その幾つかをご紹介しましょう。
○ニオイをつけている
猫の爪の周囲には臭腺という器官があり、この臭腺から出るニオイや足裏のニオイを自分の行動範囲内につけることで「ここは自分の場所である」ということを示そうとします。また、時に猫はできるだけ背伸びをして、地面より高い場所に爪の跡をつけようとすることもあります。これは「自分は大きな猫なんだぞ、強いんだぞ」ということをアピールするためにしているのです。
○古い爪をはがす
猫の爪は薄い層になっています。そのため、古くなってしまった表面の層をはがして爪の鋭さを保つために爪とぎをします。ですが爪とぎを使うのは実際には前脚だけで、後脚の爪に関しては歯を使って古い層をはがすのが一般的な行動です。
○ストレスの解消
猫は日常のストレスを、爪をとぐという行動によって解消しています。また興奮した時に気持ちを落ち着かせたり、場合によっては全身を伸ばしてストレッチをする時なども爪とぎをすることがあります。
爪とぎのしつけの仕方
子猫は生後2ケ月くらいから爪とぎを始めます。このくらいの頃に場所を決めて教えると、決められた場所できちんと爪とぎをするようになります。
○まずは場所を決める
最初から人間がここ!と決めてしまうのではなく、まずは部屋の中の何箇所かに爪とぎを用意して、猫が気に入った場所を見極めます。こうすることで猫も場所を覚えやすく、気に入った場所で爪をとぐことで気持ちも安定するでしょう。また猫は床だけではなく、後脚で立ち上がって爪をとぐこともあります。その場合には横置きのものを縦置きにしたり、壁面に設置できるものも市販されていますので、そういったものを試してみるのも良いかもしれません。
○爪とぎの場所を教えよう
場所が決まったら、そこで爪とぎ器に前脚を乗せて、優しく引っ掻くように動かす動作をしてあげましょう。そうするとそのうちに自分から爪を出し、爪をとぎ始めます。うまくいかない時には前脚の肉球を軽く押して爪を出し、爪とぎ器の表面に引っ掛けてみたり、マタタビの粉を使うのも効果があります。市販されている爪とぎ器にはマタタビの粉が付属しているものもありますので、使ってみると良いでしょう。
○体罰は絶対にダメ
爪とぎ器以外の場所で爪をといだら、大きな声で叱るのも良いでしょう。ですが叱ったら必ず爪をといで良い場所を教えてあげること、また叱る時に叩いたりするのは絶対にNGです。体罰は動物にとってただ恐怖でしかなく、逆効果になるので絶対にダメです。
○爪とぎ器の交換は頻繁に
爪とぎは新しいほうが猫も好みます。ボロボロになってきたら横着せず、早めに交換するようにしましょう。いつも爪をとぐ場所が決まってさえいれば、こうすることで他の場所で爪をとぐことを防ぐことができます。
爪切りをしよう
室内飼いの猫だと、爪とぎだけでは間に合わずどうしても爪が伸びがちになってしまいます。こうした場合には猫専用の爪切りで、爪を切ってあげることも大切です。
○室内飼いと外飼いは違う!爪の必要性
安全が守られている室内飼いの猫とは違い、外飼いの猫には危険がいっぱい。この危険を、猫は自慢の爪によって回避できる場合がたくさんあります。また猫は爪を切られても、切られたことに対する自覚がありません。普段通り爪が使える感覚で木登りをしたり、高いところに飛び乗ろうとしたりしますので、外飼いの猫の爪を切りすぎてしまうと不慮の事故につながってしまう場合もあります。このようなことを防ぐためにも、爪切りは室内飼いの猫だけに。外飼いの猫の爪は切らないほうが良いでしょう。
○爪の切り方
猫の爪には血管が通っています。明るいところで透かすと血管が見えますので、この血管を切らないように注意し、血管の先から1〜2mmのところをカットするようにします。猫によっては血管が透けない爪を持つ子もいますので、この場合には長めのところから徐々にカットしていき、中心に血管のピンク色の芯のような箇所が見えてきたらそこでストップするようにします。万が一出血してしまった場合には、あわてず消毒をして、根元をしばらく抑えると出血が止まります。ペット用の止血剤も市販されていますので、爪切りに不安がある場合にはひとつ購入しておくと安心です。
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