犬の高齢期

レトリバー

犬にもやってくる高齢期。高齢になるとワンちゃんにはどのような変化が見られるようになるのでしょうか。また、その変化にどのように対処すればいいのでしょうか。
犬は人の数倍の速さで歳をとっていきます。小型〜中型犬の場合は7歳くらい、大型犬の場合は5歳くらいで高齢と呼ばれるようになります。これは人で言うと45〜50歳くらいに相当します。人間もこの頃から体力が衰え始めたり老眼が始まったりする年齢ですよね。犬の場合も個体差があるものの、この頃からさまざまな体の変化が現れ、適切なケアをする必要が出てきます。
犬の高齢期に現れる主な変化を以下に挙げました。

体の変化

・被毛や皮膚の変化

被毛自体のコシもなくなって、量が全体的に少なくなり地肌がうっすらと見えるようになることもあります。 皮膚も皮脂の分泌量が減ってカサカサした状態になってきます。皮脂は外部からの異物に対するバリアの役割をしているため、皮脂が減ると刺激を受けやすくなり、皮膚炎ができたり、いぼが見られるようになることがあります。皮膚炎になった場合は、かゆみから皮膚を掻き破ってしまう前に動物病院で診てもらいましょう。

・目や耳などの感覚器の変化

白内障になることがあります。これは目のレンズが白く濁ることで視力が低下する病気です。白内障が進行すると手術ができない場合もあるため、日頃から目をよく観察し、目が白く濁っていると感じたら動物病院で診てもらいましょう。
人と同じように歳をとると少しずつ耳が遠くなってきます。声を掛けても気が付かなかったり、後ろから近づくとビックリしてしまうことがあるため、高齢のワンちゃんにはなるべく見える位置から近づき、声を掛けながら体にそっと触るようにしましょう。

行動の変化

犬 アップ

・睡眠時間が長くなる。

高齢になってくると、寝ていることを好むようになります。耳が遠くなったり、周囲への興味が薄れたりして、一日中寝ている感じになってきます。

・動きがゆっくりになる。

加齢により足腰が弱ってきます。おぼつかない足取りに散歩も無理かな?と行かなくなるのは逆効果です。適度な運動は関節や靭帯を柔軟に保ちながら筋力を維持したり、血液循環のためにも必要ですので、様子を見ながら無理のない範囲で行ってあげましょう。

・トイレの変化。

トイレが我慢できなくなる、回数が増える、粗相をするようになる。膀胱などの内臓が衰えたり、尿意を伝える神経伝達経路が若い頃のように働かなくなってきます。加齢からくるものですから、叱ったりせず、愛犬に合わせた対処をしてあげましょう。


犬 散歩

全ての犬に以上のような変化が見られるわけではありませんが、このような変化が現れたときは高齢期の変化の兆候と考えられます。
高齢期になってから慌てて対処するよりも、若い頃からベストな状態を維持できるように努力してあげましょう。

犬 寝る

たとえば、食事管理。年齢や愛犬の健康状態に合った内容のものを考えてあげましょう。
しかし、病気が原因で変化が現れることもあるので、「年だから仕方のないこと」と済ませずに、愛犬の体調の変化を注意深く観察するようにしてください。

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