犬用シャンプーの正しい知識
愛犬に合ったシャンプー、使っていますか?
犬と一緒に生活していると、自宅でのシャンプーは欠かせないケアのひとつですね。
犬用として販売されているシャンプーはたくさんありますが、みなさんはどのような基準で選ばれているのでしょうか?
犬の皮膚は人間に比べて、3分の1程度の薄さしかありません。そのため皮膚のバリア機能も決して強くはなく非常にデリケートなものですので、ぜひ正しい知識を持って愛犬に合ったシャンプーを選んであげてください。
○「美容目的のシャンプー」と「医療目的のシャンプー」
愛犬をシャンプーする時、何のためにシャンプーをするのでしょうか?それによって、シャンプーの選び方も変わってきます。
「美容目的」の場合には被毛や身体の汚れを落としたり、良い香りをつけるなどが目的になってくると思います。この場合、皮膚や被毛に特にトラブルのない健康な犬でしたら何の問題もないでしょう。
ですが「医療目的」になると少し内容が変わってきます。
乾燥肌やアレルギー、細菌や真菌など...筆者の愛犬も皮膚トラブルを起こしたことがあるのでよくわかりますが、特に皮膚に関するトラブルを起こした場合にはその症状を軽減させたり、治療する目的でシャンプーをすることがあります。
この場合には、どのような皮膚トラブルを起こしているのか?原因は何なのか?それによって選ぶべきシャンプーも変わってきますので、まずは現在の状態とコンディションをよく知る必要があります。また適切ではないものを選ぶと症状を悪化させてしまうこともありますので、十分に注意が必要です。
○低刺激シャンプーと薬用シャンプー
皮膚や被毛にトラブルがある=低刺激、または薬用を謳ったシャンプーを使用すれば良いというものではありません。
例えば皮膚にニキビダニが原因の痒みがある場合(アカラス症ともいいます)犬は非常に痒がります。症状が進行すると皮膚が赤みを帯びるほど噛んだり、場合によってはその部分だけ脱毛してしまうようなこともあります。では、皮膚トラブルがある=皮膚に優しい低刺激シャンプーを使えば良いのか?といえば、答えは「ノー」です。
ニキビダニは非常にしつこく、一般的に洗浄力の弱い低刺激シャンプーでは落とすことができません。こういった場合には洗浄力のしっかりした薬用シャンプーでの洗浄が必要になり、犬の皮膚の状態によっては皮膚炎の症状のある箇所とない箇所で洗い分ける必要も出てきます。また薬用シャンプーにも使用する目的によって使うべきものが変わってきますので、まずはかかりつけの動物病院で獣医師に相談することをお勧めします。
○こんな時には要注意!
症状改善の目的で薬用シャンプーを使ったのに症状が改善されない。それどころか赤みが強くなってきた、などの症状が出て場合には要注意。もしかしたら、そのシャンプーが合っていないのかもしれません。
人間同様、犬にも敏感肌というものがあります。いまの症状に合うと言われたシャンプーが、実は敏感肌の面で合わず逆に症状を悪化させてしまったというようなケースもあります。そういった時には無理せずに使用を止め、症状が落ち着くまではそのシャンプーを使用しないようにしましょう。
皮膚トラブルの治療法はシャンプーだけではなく、投薬などの方法もある場合があります。シャンプーができず、さらに症状が続く場合にはその旨を伝えつつ獣医師に相談するようにしましょう。
正しいシャンプーの仕方
こちらでは一般的な正しいシャンプーの仕方をご紹介します。
・熱いお湯はNG。ぬるま湯で皮膚までしっかり濡らす。
・シャンプーをしっかりと泡立て、指の腹で被毛よりも皮膚を洗うような意識で洗う。
・たっぷりのぬるま湯で脇や内股などに洗い残し、すすぎ残しがないように注意する。
・洗い終わったら水分をしっかりと取り除く。
・ドライヤーで乾かす。熱風をかける時間はできるだけ短時間に。
すすぎ残しはフケや皮膚トラブルの原因になってしまいますので、特に被毛の長い犬を洗う場合には気をつけるようにしましょう。(皮膚トラブルの改善を目的としたシャンプーをする場合には、患部をよく洗うなどの別途注意が必要な場合があります。)
まとめ
皮膚のトラブルは人間でも非常につらいもの。同時に、治療には非常に長い時間を要する場合があります。こういった皮膚トラブルを防ぐひとつの手段として、正しい犬用シャンプーを選んで正しい知識と方法でお手入れしてあげましょう。
また万が一皮膚トラブルに見舞われてしまった場合、先述の通り治療には長期かかる場合もあります。症状に合ったシャンプーを使用すれば、皮膚のトラブルには非常に有効な治療法のひとつになりますので、こちらも焦らず正しい知識と方法で、1日も早く症状を改善させてあげたいものですね。
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